現在確定している金融に関する情報について

(2011年03月13日)

3月11日金曜日14時46分頃、宮城県北部でマグニチュード
9.0という、国内観測史上最大の地震が発生致しました。
その後、茨城・長野等を含む震源からの余震も大小を問わず
現在も続いております。その被害規模は、阪神淡路大震災を
超えるものが予想されます。
 
まず何よりも先に、この極めて深刻な事態において、
お亡くなりになられた方々への哀悼を申し上げますとともに、
被災されている方々に心からお見舞い申し上げます。
 
このような状況下においていろいろな情報が錯綜し、
慌てたり不安になることもあろうかと思います。
そんな時だからこそ、正確な情報を元に、冷静な
判断を行い、なにより人的に、可能な限り経済的にも
被害を最小限度に食い止めなくてはなりません。
 
ここで、現在確定している金融に関する情報をまとめてみます。


【目次】
 
1.(3/11金融庁、3/12全国銀行協会発表より)
金融庁から全国銀行協会への要請と、全国銀行協会の
反応について
 
2.(3/12、3/13 経済産業省発表より)
東北地方太平洋沖地震等による災害の激甚災害の指定及び
被災中小企業者対策について 
 
3.政府対応
 
4.今回の震災に関わる取引先がある企業はどうするか
 
5.まとめ
 
1.(3/11金融庁、3/12全国銀行協会発表より)
金融庁から全国銀行協会への要請と、全国銀行協会の
反応について
 
・預金の証書・通帳、印鑑がなくとも、本人を確認できれば払い戻しに応じる
 
運転免許証やパスポート、保険証や年金証書等の
「本人確認資料」があれば、現金払い戻しを受けることが
できます。
  
印鑑の代用として、拇印することが想定されています。
 
汚れた紙幣の入金・両替や、国債証書の紛失にも、柔軟に
対応するものとされています。
 
法人であっても、代表者や経理担当者等、銀行窓口や
融資担当者と面識が ある者であれば、払い戻しに
応じることが予想されます。 


・定期預金、積立定期預金の期限前解約や、これを担保とした貸付に応じる
 こと
 
本件については、資金使途等の資料についてはかなり免除され、
審査手続き の簡便化と実行の迅速化が図られる見込みです。


・災害による障害のために、支払期日が経過した手形について、関係金融機関
 と適宜話しあいの上、取立ができることとする。
 
より具体的には、全手形交換所において、今回の災害のため
呈示期間が経過した手形でも、交換持出等を行うことや
不渡となった手形・小切手について、 不渡報告への掲載等を
猶予することを、3月11日から当分の間実施する
 
つまり、本震災に関わる手形の不渡りについては、猶予の措置がなされる、
ということです。改めてもう一度触れます。


・被災された個人、法人のお客さまからの新規融資や既存借入の返済等に
 関するご相談についても柔軟に対応すること
 
詳細はこれからとはいえ、現状通常の融資ができる・できない、
ということやリスケジュールを行っている・いないのみで
判断されるわけではないと認識してよいでしょう。


・休日営業を含む、店舗の営業時間や営業状況等を店頭や新聞、インター
 ネットのホームページに掲載し周知すること
 

2.(3/12、3/13 経済産業省発表より)
 東北地方太平洋沖地震等による災害の激甚災害の指定
及び被災中小企業者対策について 


・激甚災害法に基づく激甚災害として指定され、措置の対象は
「全国」であること
 被災地の中小企業のみならず、全国の中小企業が対象と
なります。


・「災害関係保証」の発動
 
区市町村等から罹災証明を受けた中小企業に対して、
信用保証協会が別枠融資を行います。
保証率は100%(緊急保証と同じ、責任共有制度の対象外)、
無担保限度額が8000万円、普通限度額が2億円。


・小規模企業向けの設備資金融資の償還期間延長
 
既に実行されている小規模企業向けの設備資金について、
通常最大で7年返済であるものを9年以内にまで延長されます。


・「災害復旧貸付」について
 
災害により被害を受けた中小企業向けに、日本政策金融公庫
・商工組合中央金庫が取り扱う、別枠の融資です。
 
金額は
 
日本政策金融公庫 中小事業:1.5億円 国民事業:3000万円
商工組合中央金庫 1.5億円
 
期間は設備・運転ともに最大10年(据置期間は2年以内)
 
金利は2.25%以内、ただし経済産業省による金利補助
(最大0.9%)あり担保は弾力的に取り扱う、とされています。


3.政府対応


・既に特別復興法の制定検討がはじまっています。
 
現状の23年度予算案そのものではなく、補正予算による
予算どりと思われますが、報道によれば与党が難色を
示している?等、情報は錯そうしています。
 
何か判明次第、随時お知らせしていきたいと思います。


4.今回の震災に関わる取引先がある企業はどうするか
 

本当に痛ましい出来事が、現在も進行中です。しかし、
現在を何とか改善しつつ、将来へ向かわなくてはなりません。
上記の通り、
 
・銀行は通帳印鑑の紛失や預金引き出し、何より手形の決済に
柔軟に対応する
 
・保証協会が別枠での融資を保証率100%で行う
 
・政府系金融機関が別枠融資を行う
 
ことが定められました。状況に応じて、利用を考えたいところです。
 
現時点で、必ず必要になると思われるものは、何より
 
・この災害に関連する取引を売掛・買掛「どちらも」確認すること 
になります。
 
被災側の支払は、阪神淡路大震災時においても金融機関は
柔軟に、一方的な不渡りの処理はしておりませんでしたし、
今回もこれについての問題が起こる可能性は少ないことでしょう。
 
しかし、忘れてはいけないのは、受取り側(入金の方)。 
その入金が行われるのかどうか、注意が必要です。
受取り側において、資金繰り困難状況になっている企業の場合、
 「その入金が自分の手形決済資金」
であったものが入金にならなくなる可能性がでてくるわけです。
 
金融機関にとっては、「災害の余波によるものか」どうかを
特定できるものであればともかく、特定できないものは、
通常の処理をしてしまうことはあります。
 
一方、だからといって、企業側も何もしなくてよい、
ということにはなりません。
 
また、上記の保証協会や、政府系金融機関による融資制度も、
最小限度の確認はしないと融資の仕様がありません。
その最大のポイントは、
「本当に被災の影響によるものなのかどうか」
になることでしょう。
 
そのため、
 
・取引先別に 
・手形であれば発行日(月別の締め日単位でも)、期日、金額
・現金(振込)支払であれば締め日、支払日、金額
・その内、今回の震災に関わる取引先、金額がわかるように
 まとめておく必要があります。
 
これは、今回の融資制度の利用をスムーズにするだけではなく、
今後の資金繰りを理解する際にも基礎資料として極めて
重要なものになることでしょう。
 
この資料をベースに、手形を含む支払や入金の動向をまとめ、
問題があれば事前に銀行に申出をおこなうことで、
融資を申し込んだり不渡りを回避したりする等の対策を
講じるべきです。


5.まとめ
 

週末以降、人の安否に追われている方が非常に多いと思います。
今回の震災は、おそらくは戦後最大の災害とされることでしょう。
この不景気の中発生した単なる連続地震というだけでなく、
津波・火災から原発まで、様々な悪い要素が積みあがっています。
 
それでも、よりよい将来を得るため、歩み始めなくてはなりません。 
改めて被災地の皆様の一人でも多くの救出、一刻も早い生活の
回復をお祈り申し上げます。