国際財務報告基準(IFRS)の導入に関する米国の新たな動向

(2011年07月10日)

2005年にEUがIFRSを導入し、その後120か国以上がIFRSの
導入又は導入方針を公表しており、IFRSによる会計基準の
国際的な統一化は大きく進展しました。

我が国も2012年にIFRS導入方針を表明することとしており、
この数年間、我が国の会計基準のIFRSへのコンバージェンスを
精力的に推進してきました。

しかし、リーマン・ショックによる世界金融危機後、米国の
IFRS対応は相当に慎重となっており、2011年5月26日に
公表された米国証券取引委員会(SEC)のスタッフ・ペーパー
では、米国はIFRSを米国基準に組み込み(Incorporation)、
今後、例えば、5年から7年かけて米国基準とIFRSとの統一化に
向けて差異の調整に取組むとの方針案が明らかにされて
おります。
このペーパーから米国のIFRSに対する姿勢を読み取ることが
できます。

我が国では、2011年6月21日に自見庄三郎金融担当大臣が
次の談話を公表し、企業会計審議会の中間報告(2009年6月)に
おいて示された方針案(2015年又は2016年に強制適用)について、
IFRS導入延期の方向が示されました。

「一部では早ければ2015年3月期(すなわち、2014年度)にも
IFRSの強制適用が行われるのではないかと喧伝されているやに
聞くが、少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えて
おらず、仮に強制適用する場合であってもその決定から5~7年
程度の十分な準備期間の設定を行うこと、2016年3月期で使用終了と
されている米国基準での開示は使用期限を撤廃し、引き続き使用
可能とする。」

今後、我が国のIFRS対応について、企業会計審議会において
審議されることになります。去る6月30日、自見金融担当大臣の
出席の下、第1回目の企業会計審議会が開催され、10人近い
委員からIFRS方針や適用時期について意見が述べられました。
 
今後、米国の動向をみながら、我が国の対応について検討が
進められると思います。