医療保険の仕組みについて①(生命保険でも損害保険でもない)

(2011年02月13日)

ふだんあまり気にすることのない生命保険。
しいて気にするのであれば、外交員の方が、
きれいな人かおばちゃんかとか位の人が多い
と思います。
 
今日は生命保険のうち医療保険に焦点をあてて
数回にわたり、話をしたいと思います。
 
医療保険というのは、人の生死ではなく、生きている
間の病気・怪我による様々な医療サービス(入院・手術・
その他の治療)、あるいは病気・怪我になったこと自体に
たいして保険金(場合によっては給付金もあります)を
支払う保険です。
 
わが国の保険会社は生命保険会社と損害保険会社の
2種類です。医療保険会社という名前の会社は、現在の
ところまだありません。
 
これは、わが国の保険業法で保険会社の免許は、
「生命保険会社」
「損害保険会社」
の2種類しかないからです。
 
生命保険会社とは人の生死に関して一定額の保険金を
支払う保険です。
それに対して、損害保険会社とは、一定の偶然の事故による
損害をてん補する保険です。
医療保険とはいうと、この上2つのいずれにも該当しません。
 
例をあげて話をしたいと思います。
例えば、典型的な医療保険の給付の入院給付金について、
入院日額1万円で10日間入院した場合10万円の保険金が
給付されるとします。この保険金の支給原因は入院ですが
それは生存も死亡でもないので、生命保険の定義には該当
しません。また、日額いくらと決まっていると、入院したことに
よる費用をてん補することになりませんから損害保険にも
なりません、このままでは、医療保険が存在できなくなって
しまいます。
 
そこで、保険業法では、病気・怪我等に対して一定額の保険金を
支払う、あるいは損害をてん補する保険を医療保険として、生命
保険会社・損害保険会社の両方に認めています。
 
保険業法というのは保険会社に関する法律です。
それに対して、保険法というのは保険契約に関する法律です。
従来は、商法の中で規定されていた保険契約に関する規定を
独立させて作られた法律です。
 
この保険法では、生命保険・損害保険のほかに
「傷病疾病定額保険」という区分をもうけ
また、損害保険の一部として「障害疾病損害保険」という区分を設け、
それぞれ一定の保険金を支払う保険・損害をてん補する保険について
規定しています。
 
保険法ができたのは、平成22年4月1日施行ですので、つい最近です。
それ以前の商法の規定には、医療保険の規定はありませんでした。
 
しかし、医療保険はすでに存在していたので、仕方なく生命保険や
損害保険に準じて採り扱うことになりました。
 
医療保険は「第3分野の保険」と呼ばれることがあります。
これも、医療保険がわが国に登場した際、これは生命保険か損害保険か
生命保険業界と損害保険業界で縄張り争いをして、結果として、
そのどちらでもない第3の分野だと決着をした名残です。
保険業法の規定の順序に合わせて、生命保険を第1分野、損害保険を
第2分野と呼んでいます。
 
次回のこらむで、保険料の決め方について話をします。