医療保険の仕組みについて②

(2011年02月28日)

   2月13日のコラムにおいて
医療保険は、損害保険でも生命保険でもないという
ことについて、話をしました。
 
今日は、医療保険の保険料が、どのようにして決定されるのか
また、医療保険の発生率をどのようにして捉えていくのかに
ついて話をします。
 
命保険は、死亡率に基づいて保険料を決めます。
年齢が高くなるにつれ保険料が高くなるのを避けるため、
長期にわたる死亡率を予定して、平準保険料方式で
保険料を計算します。
 
 
 

  

 取っておけば、まず保険料が不足することはなく、
安心できるからです。
 
 
年々のプレもあるし、一方的に発生率が減るとも膨れるとも
限りません。そのため、一般に損害保険は、1年単位の保険を
更新(更改)する形になっており、その保険料も現実の支払率を
見ながら随時上げたり下げたりするという形になっています。 

 

 

 

では、医療保険はどのようになっているのでしょうか。
 

 

医療保険においては、発生率は、死亡率と同様、年齢と共に
上昇するようになっていて、そのため生命保険と同様に
通常は、平準保険料方式が採られています
 
ところが、全体としての発生率は、必ずしも上昇あるいは
下降すると決まった話ではありません。
 
たとえば、病気の初期のうちの検査とか予防とかが進歩すると、
発生率は低下します。
 また、健康保険制度が改正され長期入院が許されなく
なると、入院給付金の支払率が低くなります。
 

 

さらに、検査が進歩すると逆に診断給付金の支払い率が
上がるから平準保険料にしたほうがよいという状況に
あるので、どっちがよいか悩ましいことになります。
 
傷害保険など、従来は、保険料は「年齢によらず一律」と
していた保険があります。その場合でも発生率は、
年齢により明らかに追っています。
 
保険料を決定する場合、
取扱いの簡便さを重視して一律保険料でいくか、
公平性を重視して性別・ 年齢別の保険料とするか、
というのも難しいものです。
 
医療保険の保険料の計算にも死亡率を使います。
この死亡率について、従来は、死亡保険の死亡率を
そのまま 使っていたのですが、この前の標準生命表の
改訂の時以来、医療保険用 の死亡率が新たに
作成されるようになり、これを使うことになっています 
 
 
この医療保険の保険料を計算する際は、入院や手術、
あるいは病気の確定診断の発生率を使うことになります。
 
この発生率をどのようにして捉え、またどのように
作られるのでしょうか。このことについて、話をします。
 
生命保険の場合、長年の経験の蓄積があります。
今では生命保険 加入者の死亡のデータから死亡率を
計算して使うことができます。
 
しかし、医療保険の場合にはなかなかそうもいきません。
では、どうするのでしょうか。
 
そこで、医療保険では、国民全体の入院率とか
術率とかを厚生労働省の統計データ 等から
拾い出して発生率を作ってい ます。
 
とはいえ、このようなデータは、 保険会社が発生率を
作れるように厚してくれたデータではありません。
そのまま使えるようにはなっていません。
そこで、元となるデータを様々に工夫して発生率を
作ります。
 

それでももちろん、国民全体の病気・ 怪我になる率と

医療保険に入った人 の病気・怪我になる率とが

同じだという保証はありません。

 

医療保険に入る人は、加入することが必要な人だから、

発生率は、国民全体より高 いはずだという考え方も

あります。 保険会社では、健康な人しか加入させない

のだから、発生率は国民全体よ り大幅に低いはずだと

いう考え方も あります。

 

このような場合、仕方が ないので安全割増をちょっと

大目に上乗せしておいて、あとはその後の 実績を

みながら少しずつ現実に近づ けていこうとするのは、

ごく当然の 話です。

 

すから、医療保険でも特に新し い保障については、

安全割増がかなり 多く上乗せされていて、

保険料が割高になっているんだと考えたほうが

良いかもしれません。

 

限定告知型あ るいは無選択型といわれる商品では、

なお一層そのような状況になっていると考える必要が

あるでしょう。

 

 
 次は、医療保険の仕組みについて話をします。