医療保険のしくみについて③

(2011年03月20日)

2月28日のコラムにおいて医療保険の保険料が、
どのようにして決定されるのか、また、医療保険の発生率を
どのようにして捉えていくのかにについて話をしました。
 
今日は、医療保険の解約返戻金について話をします。
 
医療保険も年齢が高くなれば入院やや手術の発生率が
高くなりました、それを平準化して保険料を計算していると、
その結果として責任準備金がはっせいします。
とくに恒例の医療保険や終身タイプの医療保険では、
この責任準備金がかなり大きくなります。
 
そこで、そのうちどこまで、解約返戻金として返せば
いいのかということになります。
 
医療保険には、次のタイプがあります。
基本型
死亡保障増額型
死亡保障なし型
解約返戻金・死亡保障なし型
 
■基本型
責任準備金があるのであれば、解約返戻金として返せば
いいのではないかということにすると、時として死亡保険金の
何倍もの解約返戻金を支払うことになります。
こうなると死亡した契約についても死亡の直前に解約したこと
にして、あるいは死亡した後でまだ死亡してないことにして
解約の手続きをして、死亡保険金の何倍かの解約返戻金を
もらおうとしようということになります。
それを防ぐために、被保険者が死亡していないかどうかを確認
しなくてはならなくなります。(生存証明が必要となる)
 
■死亡保障増額型
それでは、不公平だから死亡した契約についても解約返戻金と
同じだけの死亡保険金を払おうとすると、それは死亡保険金を
大きくしてしまうことになり、その分保険料が高くなってしまいます。
こうなるのは、解約返戻金が大きすぎるからとか、責任準備金が
いくら大きくても解約返戻金は一定額で押さえておこうとか、
解約返戻金はゼロにしようとする考え方もあります。
そうすると、実際に契約が解約されたとき、責任準備金より
はるかに少ない解約返戻金だけ支払い(あるいはまったく払わずに)
残った責任準備金はまるまる保険会社の設け(解約益)に
なりますので、そのような契約の解除が多いか少ないかで
保険会社の収支が大きな影響を受けることになります。
 
保険会社としては、解約益を期待しないで、保険料を
計算しておいて、実際に解約益が発生すると、こんなに
儲かっているのであれば、保険料をもっと安くしても
いいのではということにもなります。また、逆に、その分だけ
保険料を安くしておいて実際に解約する契約がなかったら
解約益が発生しないので、赤字になってしまいます。
これは、困ったことです。
 
契約者にしてみても、保険料が高すぎるのは困ったことで
あるし、保険料が安くなるのはいいけれど、その結果
保険会社が赤字でつぶれてしまうのも困ります。
さらには、つぶれる前に急きょ保険料を上げるとなっても
困ってしまいます。
 
□解約返戻金。死亡補償なし型
解約返戻金に振り回されるのは嫌なばかりに、
解約返戻金がなくなってしまう医療保険もあります。
その分、若干保険料は安くなりますが、解約返戻金が
ないと契約者貸付や保険料振替貸付ができないことに
なります。
 
そうなるとあらかじめきちんと自動的に保険料が
払い込まれるようにしておかないと、たとえば長期に入院して
その間の保険料の払い込みができなかったりすると、
医療保険の給付が必要な時にその給付が受けられなく
なるかもしれません。
これらは、保険料の計算あるいは解約返戻金の決め方と
いう商品設計上の問題ですが、それ以外の問題もあります。