雇用を増やした 企業を支援する 税制と助成金について

(2011年08月26日)

東日本大震災によって職を失った人や新卒後、定職に
就けない若年層を中心に、雇用の確保が深刻さを増しています。

一方、こんなときだからこそ雇用を増やしたい、良い人材を
確保したいという中小企業もあるようです。そのような中小企業を
支援するための減税や助成金があります。
今日はそのことについて話をします。
 
★雇用を増やした企業の法人税等が減税されます 
平成23年6月22日に成立した税制改正では、新たに雇用
促進税制が創設されました。
 
この制度は、一定数の従業員を新たに雇い入れた企業や
個人事業者に対して、増加した従業員数1人につき20万円
(大企業は10万円)が法人税または所得税から減税されると
いうものです(法人税額、所得税額の20%が限度)。
 
1:従業員を2人以上雇用すること
この減税を受けるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。
 
【適用要件】
(1)青色申告法人(者)であること
 
(2)従業員を2人以上(中小企業の場合)、かつ10%以上
増加させること
※従業員は、雇用保険の一般被保険者であること
 
(3)雇用を増やす人数等の予定(目標)を記載した
「雇用促進計画」を八ローワーク(公共職業安定所)へ
届け出ていること
 
(4)当期と前期に会社都合による退職者がいないこと
 
(5)当期の給与支払額が、前期よりも、一定以上増加
していること
 
2:減税を受けるには事前の届出が必要
 
また、この制度では、事前にハローワークに、「雇用
促進計画」を届け出る必要があります。計画書には、
雇用する人数の目標(予定)を記載します。
 
そのうえで、事業年度終了後に、計画(雇用数、
離職者の有無等)の確認を受けなければなりません。
 
【八ローワークへの届け出等のイメージ】
 
◆1 [事業年度開始後2か月以内]
 
目標の雇用増加数等を記載した「雇用促進計画」を
八ローワークに届け出る。
          ▼
◆2 [事業年度終了後2か月以内]
 
八ローワークから、雇用増加の状況や離職者の有無
など計画の確認(証明)を受ける。
          ▼
◆3
確認を受けた「雇用促進計画」を税務申告書に添付する。
 
3:適用期限
 
この税制は、3年間の時限措置です。
 
(1)法人の場合
 
平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始
する各事業年度において、雇用を増やした場合に
減税が受けられます。
 
(2)個人事業者の場合
 
平成24年1月1日から平成26年12月31日までの問の各年に
おいて、雇用を増やした場合に減税が受けられます。
 
 

★被災者や若年層を雇用した場合に受給できる助成金等

 
現在、震災による失業対策のほか、定職に就けない若年層の
雇用確保が問題となっており、政府も被災者や新卒者等の
就職支援のために、様々な助成金制度を設けています。
 
1:3年以内既卒者トライアル雇用奨励金

 
高校・大学等※を卒業後、同じ会社で1年以上継続して
正規雇用された経験がない人を雇い入れた場合に支給
されます。
※平成21年3月以降に中学・高校・大学(大学院、短大を
含む)、高専、専修学校等を卒業した者
 
・(1)支給を受けるには
 
対象となる求職者を、ハローワークからの紹介で、
正規雇用への移行を前提とした有期雇用(原則3か月間)
として雇い入れた後、改めて正規雇用で雇い入れる
必要があります。
 
・(2)事業主に支給される額
 
【有期雇用期間(原則3か月)】
対象者1人につき10万円(最高30万円)
※有期雇用終了後、対象者が正規雇用へ移行しなかった
場合でも、原則として有期雇用期間は奨励金の支給対象と
なります。
        ▼
【改めて正規雇用契約を締結】
        ▼
【有期雇用終了後の正規雇用の雇い入れ】
対象者1人につき50万円(雇い入れから3か月経過後に
支給されます)
 
※東日本大震災に伴う特例措置
東日本大震災の被災者を雇い入れた場合には、支給額が
対象者1人につき60万円になります。
 
2:3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
 
大学卒業後3年以内の既卒者で、同じ会社に1年以上
継続して正規雇用された経験がない人を正規雇用した
場合に支給されます。
 
・(1)支給を受けるには
ハローワークまたは新卒応援ハローワークに、卒業後
3年以内の大学等の既卒者も応募可能な新卒求人を出し、
ハローワークからの紹介によって、正規雇用として
雇い入れます。
 
・(2)支給される額
正規雇用での雇い入れから6か月定着した場合に、
100万円を支給(1事業所1回限り)
 
※東日本大震災に伴う特例措置東日本大震災の被災者を
雇い入れる場合には、支給額が120万円になります。
1事業所最大10回、10人まで受給が可能です。
 
3:被災者雇用開発助成金
 
東日本大震災による離職者や被災地域に住む求職者を、
ハローワーク等の紹介によって、継続して1年以上の
雇用が見込まれる労働者として雇い入れた場合に
支給されます。
 
平成23年5月2日以降の雇い入れが前提です。
 
★【支給額(中小企業の場合)】(助成対象期間1年)
 
・短時間労働者    60万円 (6か月ことに30万円を支給)
 
・短時間労働者以外 90万円 (6か月ことに45万円を支給)
 
※短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が通常の労働者と
比べて短く、かつ30時間未満の人
         
【助成金の問い合わせ先】
各都道府県の労働局、最寄りの八ローワーク