生命保険で相続対策ができなくなる!?

(2011年01月07日)

さて、昨年末に2011年度の相続税の改正案が発表されました。
 
 新聞や雑誌、テレビなどで盛んに取り上げられていたので、
 一度は内容を目にされたのではないでしょうか。

 
 主な改正点としては2つです。

 ・最高税率の引き上げ 
   50%から55%に変更
 ・基礎控除額の縮小  
   ≪5000万円+1000万円×法定相続人数≫から、
   ≪3000万円+600万円×法定相続人数≫に変更


 この2つほど大きな話題にはなっていませんが、
 実はもうひとつ、私たちにとって影響の大きい変更がありました。
 
 『生命保険金の非課税対象者の厳格化』です。
 今日は、生命保険で相続対策が難しくなるのかどうか
 について、話をしてみたいと思います
 
 まずは
 『父』『母』そして『社会人の息子と娘』の4人家族で考えてみます。

 自分に万が一のことがあったときのことを考えて、
 この家族では父親(被相続人)が受取人を母(相続人)とする
 3000万円の生命保険に加入していました。

 これまでは、
 生命保険金を法定相続人が受け取った場合、
 
 ≪500万円×(法定相続人数)≫までは非課税とされていました。

 今回のケースでは、法定相続人は母、息子、娘の3人ですから、

 ≪500万円×3人(母、息子、娘)≫

 非課税枠は1500万円となり、課税対象は残りの1500万円です。


 しかし、
 今回の改正では、非課税枠を計算する際の『法定相続人の要件』について
 厳しい規制が設けられました。

 改正案では、非課税枠を計算する際の法定相続人の要件を、
 
 『法定相続人のうち、
  ≪未成年者≫、≪障害者≫、≪相続開始前に生計を一にしていた者≫』に
 限定しました。

 ≪生計を一にしていた≫とは、
 家計が一緒になっていることをいいます。

 つまり、子供が独立して働いている場合は、
 非課税枠の計算対象となる法定相続人に含まれないことになります。


 この改正案でさきほどの例を検討してみます。
 
 社会人である二人の子供が独立している場合、
 ≪未成年者≫にもあたりませんし、≪生計を一にしている≫ともいえないので、
 非課税枠を計算する際の法定相続人には含まれません。

 法定相続人は母親だけになるので、
 非課税枠は500万円になってしまいます。
 
 「自分に万が一のことがあっても
  遺された家族が将来生活で困らないように」

 そう考えてたくさんの方が生命保険を加入しています。

 「遺された家族の生活を守る」という趣旨から考えると、
 独立している子供たちを非課税枠の計算対象から外すことも
 いくらか納得できるところもあるかもしれません。


 しかし、相続対策としての保険の規制強化は
 今回が初めてではありません。

 昨年の4月にも年金保険の評価方法について改正されています。
 
 改正前は、受給期間の決められている年金保険の加入者が
 保険受給開始後に亡くなった場合、

 まだ年金を受け取っていない期間が、どれだけ残っているかによって、
 将来受け取ることのできる年金額の相続税評価額を
 給付総額の20%~70%まで軽減することができました。

 改正後、相続税評価額は
 『解約返戻金相当額等』により計算するとされました。


 こうした規制の流れや現在の日本の財政状況を見ると
 単に趣旨にそぐわないから特例を撤廃するというよりも、
 世間でも言われているように取りやすいところから取る
 という考え方が自然でしょう。
 
 相続税対策として保険を活用することが
 今後は一層難しくなってきました。

 そこで、注目されるのが『不動産』を使った相続対策です。 
 
 
 現金は額面に対して100%課税対象になりますが、
 現金を不動産に替えた場合、
 相続税評価額を半分程度に抑えることができます。

さらに、ローンを利用してマンションを購入すれば、
 団体信用生命保険がつくので、
 あなたに万が一のことがあってもローンは完済され、
 遺された家族は相続したマンションから
 毎月安定して家賃収入が得られることになります。

 
 これを生命保険を利用して行おうとすると、 
 毎月保険料を支払う必要があります。

 しかし、マンション経営なら家賃収入で毎月のローンは返済できるので、
 将来の保証を得るために、お金は支払う必要はありません。
 
 毎月家賃収入を得ながら、
 将来の保証も手に入れることができるのです。
 
 費用をかけずに万が一の保証を得ることができ、
 また、将来にわたって収入を得ることの出来るマンション経営に
 どれだけのメリットがあるかお分かりいただけると思います。
 

 相続税制はいま大きく変わろうとしています。
 
 税制が変わるのであれば、従来の生命保険を利用した相続対策だけでなく、
 マンション経営による相続対策などのあたらしい相続対策法も考えて
 いく必要があるのではないでしょうか。