売上金回収サイトの短縮について

(2011年02月04日)

中小企業の経営者の皆さんは、資金繰りで悩んでいる方が
結構いらっしゃると思います。
 
資金繰りを改善したり、できる限り円滑に行うにはどのように
したらよいのかについて話をしたいと思います。
 
資金繰り改善の具体的方法として以下の7つの方法があります。


1.売上金回収サイトの短縮(売ってから現金を受け取る期間の短縮)

2.支払いサイトを長くする(買ってから現金を払う期間の延長)

3.借入をおこす

4.在庫の削減

5.資産の流動化・現金化

6.増資

7.適切な節税
 
今日は、売上金回収サイトの短縮(売ってから現金を受け取る期間の短縮)
について、詳しく話をしたいと思います。
 
資金繰りの基本原則は、ずばり「入りを早く、出は遅く」です。
 
「売上金回収サイトの短縮」とは、「入りを早く」するということです。


世の中には、飲食店や小売店のように商品提供と代金支払いが
同時に行われるビジネスもあれば、卸売や製造業、建設業などの
ように仕事をしてから、売上金を回収するまでに1か月以上かかる
ビジネスもあります。


特にBtoBのビジネスの場合は、後者のように売上金回収までに
時間がかかるケースが圧倒的に多く、一般的な商慣習といえます。
いわゆる「掛け取引」によりビジネスが行われるわけです。
※飲食店や小売店であっても「掛け取引」が発生するケースはあります。


ここで問題なのは、売上回収までの期間がどれほどの長さなのか?
という点です。


業界によっては、銀行振込みによる決済ではなく、手形による決済が
一般的だというケースも多々あります。


手形で支払いを受けていると、例えば、月末に請求書を送り、入金されて
くるのが早くても60日後だったり遅いと180日後などになる場合があります。


請求書を送ってから手形を受け取る期間も含めれば、
90日から210日後ですから、仕事をしてから3か月から7か月先に
ならないと現金として受け取れないということになります。


売掛金や期日の来ていない受取手形の状態は、まさに資金が
眠ってしまっている状態です。そして、その間、現実に入金がないにも
関わらず、仕入れ先や外注先への支払いが発生しますので、
立替えて払わなければならない状況になります。


仮にキャッシュが潤沢にあり、無理なく立替払いできるような
中小企業は少ないと思われます。しかし、通常、多くの会社は、
一刻も早く受取手形を現金化し、支払いに充てるために、
銀行に手形割引をお願いするか、融資を受けて資金繰りを回します。
すると、そのために手形割引料や支払い利息という経費が新たに発生します。
 
また、手形ではなく、現金で支払っていもらっていたとしても、
月末締めの翌々々月末支払いなど、3ヶ月先に決済する契約を
しているような業界もありますが、売上を上げてから、現金を
受け取るまでの期間が長いという点では同じことです。

このように、売上に対する支払いを手形で受け取るということは、
資金繰りを基本的に悪くします。
 
 
その間の運転資金を銀行から融資を受けるなどして資金調達を
しなければならないからです。
 
決済条件を妥協して、売上を上げることばかりを重要視してしまい、
仕事は増え、売上は伸びているのに、仕入れ先や外注先への
支払いが追い付かなくなって資金繰り破綻してしまうという例は、
よくあります。
 
俗に言う黒字倒産というものです。
中小企業の社長様は、常に資金繰りに意識を向けて
経営することはとても重要です。


自社の資金繰りを良くするためには、
回収は現金、
そして回収サイトはなるべく短く
 
というのが大原則です。

理想としては、支払いサイトよりも回収サイトの方が短ければ、
回収した資金で支払いを賄うことができますので、
銀行融資に頼らずに資金を回す事ができます。
 
相手先の企業に言われるままの取引条件にするのではなく、
この点を強く意識して取引先と交渉するかしないかでは、
実に大きな差となって現れます。


具体的に申し上げれば、手形で支払ってもらっている比率が
多いのであれば、現金回収でしかも回収サイトが短い取引先を
新規開拓して手形のシェアを減らすようにします。


例えば、これまで120日手形で支払っていたような既存の取引先に、
30日早めて90日の手形にして欲しいとお願いしても、サイトの短縮の
実現はなかなか難しいといえます。


支払い側からすれば、120日のものを90日にするというのは、資金繰りに
大きな影響を与えます。
それどころか資金繰りから考えれば、相手企業の本音は、さらに伸ばして
150日や180日にしたいと思っているくらいです。


もちろん、状況によっては、既存の取引先に決済条件の交渉をすることは
必要ですが、新規の取引先に対して、自社に都合のよい決済条件で交渉する方が
実現可能性は高いでしょう。


もちろん、その業界、その会社の状況により下す判断は変わってきます。
ですから、自社の置かれている環境を見極め、実行することが重要です。


ただし、できない理由ばかりを並べて、最初から具体的に検討、行動をしない
ようでは、いつまでたっても自社の資金繰りは改善されません。

このような交渉は、現実問題として難しいというのは、どの企業も同じですので、
回収サイトの短縮を現実化させるためには、「どうすれば良いか?」という思考で
難しい環境の中であっても「できる方法」を積極的に検討して頂きたいと思います。