新規銀行が低金利で融資借換えを提案してきたときどうするか

(2011年07月12日)

今日は、融資を普通に受けられる企業が時々遭遇するのが、
新規銀行から、金利を低くするから別の銀行の融資の借換えを
してみないか、と提案される場面について話をします
 
例えば、次のような借入状況の企業があったとします。

 A銀行 借入4,000万円 金利2.8%
 B銀行 借入3,000万円 金利2.2%
 C銀行 借入1,200万円 金利1.9%
 
単純化するため、各銀行からは1本ずつの融資、そしていずれも
プロパーの融資を受けているものとします。
 
このような状況で、新規のD銀行が、
 
「今、金利キャンペーンをやっている。A銀行の融資4,000万円
を借換えし、融資5,000万円を1.5%で受けないか。」
 
と、提案してきたと仮定します。
 
この場合、D銀行の提案どおり、A銀行からの融資4,000万円は
全て借り換えて、D銀行から借りてもよいのか、というのが
今回のテーマです。
 
この場合、メイン銀行は最も多く融資を受けている銀行、
と言葉の定義をしたとすると、メイン銀行はA銀行です。
 
金利は多少高くとも、A銀行は長年、自社へ積極的に融資を
してくれた銀行だとします。
 
この場合、D銀行で5,000万円、融資を受けてA銀行からの
融資4,000万円を全て返済するとします。
 
そうすると、A銀行は当然、良い思いはしません。
 
A銀行としては、長年の付き合いはなんだったのか、という
感情をいだいてしまいます。
 
そして、A銀行は、二度と融資をしてくれなくなってしまう
可能性が、高いでしょう。
 
A銀行から、もう融資を受けなくてもかまわない、という事
でしたら、D銀行で融資を受けて全額A銀行に返済して
しまってもよいのですが、そうでなければ、このような選択を
してはなりません。
 
しかし、D銀行の金利1.5%は魅力的です。
では、新規銀行からの融資提案を生かす方法は何が
あるのか、はなしをさらに続けます。
 
この場合、良いやり方としては、D銀行からまず、融資の提案書を
もらうことです。
 
その提案書には、融資金額5,000万円、金利1.5%、と記載
されることでしょう。
 
そして、その提案書をもって、A銀行に話をするのです。
 
D銀行からの提案書を見せながら、A銀行の人に対し、
 
「D銀行から、金利1.5%の提案をもらってます。A銀行からの
融資全てを借換えてはどうか、という提案です。
しかしA銀行には、長年お世話になっているから、D銀行で
借り換えるつもりはありません。
しかし、D銀行の金利1.5%に比べ、今のA銀行の融資金利
2.8%は、高すぎのように感じます。もう少しなんとかならない
ものでしょうか。」
 
と話をします。
 
こういう話をすると、A銀行としては多少なりとも危機感(他の
銀行から低い金利の融資提案がきていて、自分の銀行は
のんびりかまえてられないという危機感)を抱き、金利を、
1.5%までいかなくともある程度までは引き下げてくれる
ことが期待できます。
 
しかし、A銀行へのこのような話し方は、ソフト路線です。
 
ハード路線の言い方はこちらです。
 
「D銀行から、金利1.5%の提案をもらってます。A銀行からの
融資全てを借換えてはどうか、という提案です。A銀行には
長年お世話になってますが、ただA銀行の融資金利2.8%は、
D銀行に比べてあまりにも差がありすぎます。
金利引き下げを考えてくれないと、D銀行の提案を考え
ざるをえません。」
 
ここまで言うと、A銀行はあわてて、上記のソフト路線の
言い方よりも金利を引き下げてくれる可能性が高くなります。
また引き下げ幅も、ソフト路線の言い方より大きくしてくれる
可能性が高くなります。
 
実際にこのような場面になったら、ソフト路線、ハード路線、
どちらでいくか、A銀行との今後のつきあいをどうして
いきたいかをふまえた上で、考えてみてください。
 
そして、A銀行が融資金利を引き下げてくれたとします。
 
一方で、せっかく提案をくれたD銀行をどうするか、考えなければ
なりません。
 
この場合、D銀行からは、1,000万円でも2,000万円でも、
融資を受けておいた方がよいです。
 
借換えすることが条件でなくても5,000万円そのまま借入
できるなら、借りてもよいですが、それだけ借りる必要が
なければ、今後のD銀行とのつきあいをしていくことを考え、
実績作りのため、1,000万円や2,000万円程度、借りて
おくのです。
 
そうすれば、取引銀行を増やすことができます。
 
1.リスク分散の観点から、融資を受ける銀行の選択肢を
多く持っておいた方がよいこと。
 
2.取引銀行の数が多いほど、銀行間の競争が働き金利が
下がりやすくなること。
 
この理由で、取引銀行を増やす機会があれば、増やしておくことです。
 
このようにして、新規銀行の提案を利用して、銀行取引の状況を良くして
いってください。