省スペースとコスト削減を実現する電子帳簿について

(2011年08月06日)

よく医療機関では、「電子カルテ」という言葉は日常的に使われて
いても、「電子帳簿」という言葉は耳慣れないかもしれません。
そこで、今日は、電子帳簿について話をします。

まずは、「電子帳簿」とは何か、導入する条件や、そのメリット
などについてみていきましょう。
 
通常、企業会計を行う上で、作成される「帳簿書類」は、
原則として紙により保存します。 
ゆえに、せっかくIT化が進み、パソコンで帳簿を作成しても、
わざわざ紙に印刷して保存しなければなりません。

★帳簿★
総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳など。

★書類★
棚卸表、貸借対照表、損益計算書、契約書、領収書など。

しかも法律により、帳簿は10年間、書類は7年間、保存義務が
あります。
医療機関は機械や設備も多く、限られたスペースで、これらの
書類を長年保管しなければならないことは、デメリットとなる
場合も多いでしょう。

また、CO2削減が叫ばれる昨今、紙の消費を少しでも削減
できれば、地球温暖化防止にもつながります。
時代の流れからみても、ペーパーレス化は避けられないのが
現状といえます。
 
ではどのようにして電子帳簿を保存したらいいのでしょうか。
「電子帳簿保存法」の適用を受けると、一定要件の下、
帳簿を電子データとして保存することが認められ、
さらに、書類の一部をスキャナで読み取り、電子化文書として
保存することも認められます。

★……電子化の対象となる帳簿書類……★

【税法で規定される帳簿書類】
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳、
賃金台帳、補助元帳、貸借対照表、損益計算書

※電子化する帳簿は選ぶことができます。

★……スキャナ保存できる書類………★

3万円未満の契約書・領収書、棚卸表、貸借対照表・損益計算書等
決算関係書類以外の書類(請求書、納品書、見積書等)

※施設を複数運宮している場合、施設ことに書類を選ぶことが
できます。


これにはコスト削減のほか、さまざまなメリットがあります。
適用を受けるためには、次のような手続き、条件が必要です。

【1】 手続き
適用を開始する日の3か月前までに、所轄税務署長に申請書を
提出し、承認を受けることが必要です。

【2】電子データを保存する際の要件
電子化の対象となるのは、上記帳簿書類の中で、
医療機関が自ら電子計算機により作成したものです。
また、電子計算機のシステムに訂正・削除履歴、検索機能が
確保されているなど、一定要件が課されています。
 

スキャナ保存の対象書類は、次頁の表のとおりですが、
作成または書類の受理後速やかに入力すること、電子計算機の
システムに、解像度や検索機能が確保されていることなどが、
要件として掲げられています。
 
では、電子帳簿保存法の適用を受けると、どのようなメリットが
あるのでしょうか。

【1】保管スペースやコストの削減
今まで紙で保存されていた帳簿書類を、電子媒体(DVD、
CD等)に保存できるため、保管スペースや、労力、コストを
大幅に削減することができます。

【2】検索が容易
紙の帳簿書類は、分類方法を決めておかないと、後から
必要な書類を取り出そうとしても、探し出すのに時間と労力が
かかりました。

一方、電子帳簿の場合は検索機能が付いているため、
必要な情報を容易に探し出すことができます。

【3】帳簿の信憑性が向上
電子帳簿は、訂正削除の履歴が残るため、会計データの信愚性が
高まります

【4】セキュリティの管理が容易
電子データは紙の帳簿のように形がないため、心配される方も
いるかと思いますが、操作履歴が残り、アクセス権の制限を
付けるなどの情報セキュリティ対策を講じておけば、紙よりも
管理が容易です。

【5】データの復旧が可能
今回のような大震災が起こると、帳簿書類どころか、
必要な書類がすべて消失する可能性があります。

例えば、TKCの電子帳簿はホストコンピュータに保存されているため、
万が一の災害時も電子帳簿を即時に再作成することができます。

また、紙の場合、年月が経つと、劣化する可能性もありますが、
電子データは劣化することがありません。
 
一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。