融資審査を有利にするための資金使途をうまく説明する方法

(2011年08月06日)

今日は、融資審査を有利にするための資金使途をうまく説明
する方法について、話をします。
 
運転資金とは、簡単に言うと、経営を行うにあたって必要な
資金のことを言います。
 
売掛金や在庫を抱えることにより立替えが発生するため必要と
なる資金、賞与や納税で支払うにあたって必要となる資金、
売掛金入金よりも仕入や外注費の支払いが先にくるために
必要となる資金など、さまざまな理由で必要となる資金を、
運転資金という言葉で言い表すことができます。
 
銀行融資の資金使途、つまり資金の使い道で、もう一つ大きな
くくりが、設備資金です。
 
設備資金とは、建物や機械などの設備を購入するために
必要となる資金のことを言います。
 
企業が銀行から融資を受けるにあたって、資金使途を伝える
必要がありますが、その大部分は、運転資金となります。
 
では、運転資金で融資を受けるにあたって、銀行に融資を
受けたい理由を伝える際、ただ一言、運転資金として必要、
と言うのでも銀行は深くつっこんでこないものですが、その
具体的な理由を伝えることができると、その理由が銀行に
納得のいくものであれば、審査において、有利になります。

今日は、売掛金や買掛金などに変動があり、銀行から運転
資金の融資を受けたい時、銀行にどう説明するとよいのか
についてもあわせて述べます。

■売掛金が増える
売掛金が増えると、企業としては、立て替えておくための資金が
必要となります。

例えば、月商20百万円、売掛金の回収期間が平均2ヶ月の
場合、売掛金の金額は40百万円、となります。

また、単純化して考え、月商20百万円の売上先は2社A・Bが
あり、A社に対しては月12百万円、B社に対しては月8百万円、
売上があるとします。

1.月商が増える。

例えば、C社という売上先ができたとし、そこへの売上は
月5百万円、回収期間は2ヶ月とします。

そうなると、月商25百万円となり、平均の回収期間は2ヶ月と
なるため、売掛金は25×2=50百万円となり、10百万円、増加
することになります。

売掛金が10百万円増加になるということは、それだけ運転
資金が必要となり、これが銀行に対し、融資を受けたい理由と
なります。

「売上が月5百万円増加するから、回収期間2カ月で10百万円の
運転資金が必要。」

というように、銀行に言うことができるわけです。

2.回収期間が長くなる。

売上先A社から要請があり、A社からの回収期間は2ヶ月
→3ヶ月に伸び、その要請を受けざるをえなかったとします。

これで増加する売掛金は、

A社12百万円×3=36百万円、B社8百万円×2=16百万円、
36+16=52ということから、40百万円→52百万円と、
12百万円増加することになります。

12百万円増加分、運転資金が必要となり、銀行に対し、融資を
受けたい理由として伝えることができます。

「A社から要請があり、回収期間が1ヶ月長くなるから、A社
への月売上12百万円×1=12百万円、運転資金が必要。」
と銀行に言うことができます。

■買掛金が減る

例えば、月間仕入高が18百万円の卸売業だったとして、その
うち2社から仕入をしており、月の仕入高がC社10百万円、
D社8百万円だったとします。

その支払いサイトが2ヶ月だったとします。

そうすると、買掛金は、(10+8)×2=36百万円となります。

1.買掛金の支払いを早める

C社が、1割安く仕入できるようにするから、支払期間を現在の
2ヶ月から1ヶ月に短縮してほしい、と要請してきたとします。

そうすると、C社への買掛金は、20(10×2)百万円から10
(10×1)百万円に減少。10百万円を1ヶ月早く支払うことになり、
その分、運転資金が必要になり、銀行に対し、融資を受けたい
理由として伝えることができます。

「C社から要請があり、支払いを1ヶ月早めてほしいと言われている。
C社からの月仕入10百万円×1=10百万円、運転資金が必要。」
 
と銀行に伝えることができます。

■支払手形をなくす

例えば、月間の材料費・外注費が15百万円の建設業だった
として、その支払いは手形で行い、手形の支払サイト(手形を
振り出してから支払いまでの期間)が3ヶ月であったとします。

そうすると、15百万円×3=45百万円の支払手形となります。

しかし、支払手形は不渡りがこわいです。支払手形での
支払いをやめ、全て現金で支払うことに決めたとします。

そうすると、45百万円の支払手形を消さなければならず、
運転資金が45百万円、必要となります。それを、銀行に融資を
受けたい理由として伝えることができます。

「うちの会社は、支払手形をやめようかと考えている。その
ために今ある45百万円の支払手形をなくしたく、運転資金の
融資を受けられないか。」
 
と銀行に伝えることができます。

■運転資金が必要な理由に証拠資料を

今まで述べたように、銀行から融資を受けたい場合、ただ単に
運転資金を資金使途として銀行に伝えるだけではなく、運転
資金が必要な具体的裏付けがあれば、その裏付けを銀行に
伝えることによって、なぜ運転資金が必要なのか銀行も納得
しやすくなり、その分、融資が受けやすくなります。

「売上が増加する」
「売掛金の回収期間が長くなる」
「買掛金の支払期間を短縮する」
「支払手形をなくす」

という理由を付けることができます。

またこの場合、その裏付けとなる資料があると、なおよいです。

売上先から売掛金の回収期間を長くしてほしいという要請が
あったのなら、その要請を文書の形でもらい、それを銀行に
示すのです。

このような証拠資料があると、銀行は運転資金が必要な理由を、
より納得しやすいことでしょう。

こんな感じで、運転資金が必要な理由に、より具体的なものが
あるのであれば、銀行に伝える工夫をしてみてください。