年末は融資を受けやすい

(2011年10月30日)

早いもので、今年も年末を意識する時期になりました。 

年末と言えば、企業にとって資金需要の増える時期です。
年末年始の商戦に向けた商品仕入のための資金や冬の
ボーナス支給のためのボーナス資金などが代表的なもの
があります。
 
私も、12月に石巻市で総合相談会を実施して、被災された
企業や個人様の年末資金需要の相談を受けたいと思って
おります。 

企業の資金需要が高まるということは、銀行に対する融資の
申込み件数が増えるということになります。
同様に信用保証協会に対しても信用保証の審査の申し込み
件数が増えるということを意味しています。 

ですので、12月は、金融機関、信用保証協会にとって忙しい
月です。 

そして、実は、比較的融資が通りやすいと言われる時期でも
あります。
一般的に、3、9、12月というのは、通常の月に比べ融資を
受けやすい月と言われます。 

12月は、年末年始の資金需要に応えるためということと、四半期の
締め月ということもありまが、申込件数が多く、金融機関も一つ一つ
じっくり審査する余裕がなく、比較的審査が甘くなる傾向にある
ようです。 

過去も経験を振り返っても、やはりこの時期は申込件数が急増し、
融資が実行されやすいと感じます。 

また、3月と9月は、忙しい時期という意味では12月と同じ
ですが、銀行にとって3月は決算、9月は中間決算と、数字が
締まる重要な時期です。

この時期に、支店や各担当者の持つ予算(ノルマ)が達成されて
いないと、達成させるためにも、積極的に融資案件を取りに
行動します。 

ただし、もちろん審査があるので、やみくもに融資が出るわけでは
ありません。 

イメージ的に申し上げればは、融資を実行するかしないか判断が
分かれるような案件であって、普段であれば、「様子を見る」と
なってもおかしくない案件でも、この時期であれば実行される
可能性が高まるといった感じでしょうか。


どのような理由にしろ、必要な時期に必要な資金調達ができると
いうことは、企業や個人事業主の皆様にとってはありがたい
ことです。年末に向けて融資が必要な会社さんは、早めに
動いておくことを強くお勧めいたします。


これからの時期は混むので、手続きに時間がかかり必要な
タイミングに間に合わない、ということにならないように、余裕を
持って行動すると良いと思います。
 
そこで考えなければならないものの一つとして、信用保証協会
保証付融資の申込書類について考えみたいと思います。 

信用保証協会保証付融資というのは、中小企業にとっては
比較的低金利な上、審査のハードルが低い融資ということで、
利用している中小企業がとても多いのはよく知られたことです。
 
プロパー融資(保証付融資でない融資)で借りるより「簡単」と
されるため銀行から渡される信用保証委託申込書等を、銀行の
担当者に言われたところだけ記入して、あとは決算書と試算表を
つけるぐらいで銀行に渡している企業が多いと思われます。
 
しかし、これは誤りです。
 
なぜならば、平成12年頃まで、中小企業金融安定化資金が
あった頃ならまだしも、保証付融資だからといって、何も資料を
付けなくても大丈夫ということではまったくありません。
 
信用保証協会も貸倒れの増加にともない、ここ10年程は、審査の
基準を上げてきています。
 
信用保証協会は、月商3ヶ月分までの融資の保証をしてくれる、
とはよく聞く話です。
 
ただ、企業側から「月商の3ヶ月分の融資は出してくれるんでしょ?」と
まるで当たり前のように、信用保証協会の職員に言ってしまうと、
職員の方は、おそらく否定することでしょう。
 
それはさておき、信用保証協会は、何かしらの明快な理由が
あるときや、新規取引を始める時を除いては、原則、申込を
した中小企業を訪問することは、まずはありません。
 
全て、銀行から提出された資料を元に審査を行います。
 
もし今後、新規融資制度が創設されるとしても、審査はある
程度、厳しく行ってくるのが十分に予想されます。
 
ですから、保証付融資であったとしても、プロパー融資の場合と
同じ水準での準備をし、申込に備えておくべきです。
 
そして、融資申込にあたり、どのような資料を準備するか。
銀行の担当者に依存してはいけません。
 
なぜなら、銀行の担当者にとっては
 
「自分達に関係のない資料だから、あまり積極的に集める
理由がない」
 
と思っているからです。
 
審査するのは信用保証協会で、銀行は信用保証協会が承認と
なれば簡単な稟議で融資ができるのですから、あまり気にして
いないのが実状です。
 
しかし、信用保証協会にとってはそうではありません。
 
提出された資料と、これまでの取引経緯からだけで判断する以上、
申込企業から提出を受けている資料は、それが実際に参考になるもので
あれば、あって損をすることにはなりません。
 
特に、資金使途に関わる資料(融資したとして、その資金が
何に使われるのかの説明)
 
返済原資に関わる資料(融資したとして、その返済がどのように
行われるのかの説明)
 
これらに資料は、当然ながら信用保証協会にも喜ばれますし、
融資によって、会社がどのように改善するのかが分かる資金
繰り計画表や損益計画表、その具体的な ビジョンや行動が
記された経営(改善)計画書まで網羅されていれば、
本当に文句なしです。
 
信用保証協会保証付融資の利用には、できるかぎりの可能性を
追求し、有効に活用して会社がより良い状態になるように、
特に年末の融資に向けて万全の体制を構築しましょう。