信用保証協会の審査通過率をアップさせる方法‏

(2010年12月01日)

■信用保証協会の「特定月」とは


 一般の企業にも特定月(季節的要因による繁忙月)が年に何回かあると
 思います。

 実は、信用保証協会にも特定月が年に3回ほどあります。
 9月と12月と3月です。

 この月はどこの信用保証協会も通常月より保証申込件数が3倍になり、
 かなり忙しくなります。
 
 このような状況で、信用保証協会は銀行に対して、繁忙月は1日~15日
 (営業日ベース)までに信用保証協会に申込みをされた案件を優先的に
 月末までに審査をする旨を銀行に伝えています。
 
 ちなみに信用保証協会の保証課(審査担当者)は、忙しい時期でも原則、
 その人数を増やしている訳ではありません。

 限られた人数の中で案件を審査しており、保証課の審査担当者は、特定月を
 迎えるのは嫌と思っているのかもしれません。

 私も信金マン時代、特定月は、融資を申込みしそうな企業をリストアップして、
 1ヶ月前から意向うかがいの訪問をし、特定月のはじめに、保証付融資の
 申込みをしてもらえるように営業をしていました。

 銀行は9月に中間決算、3月に本決算を迎えるので、支店における、保証付
 融資の目標数字を達成させるために精力的な行動をしていました。

 ですから特定月は、企業側の意向による融資申込みと、銀行側の理由による
 融資申込みが重なり、保証申込み件数が跳ね上がるのです。


■信用保証協会保証付融資の審査通過率アップのために今日から自社で取組む
 こと
 
 12月は年末資金を利用したい企業が多いと思います。

 しかしながら、今の時代は私が銀行員をしていた時と違い、外回りの担当者
 は企業の訪問を積極的にはしていません。

 しかしながら12月は信用保証協会にとっても特定月となり、12月15日
 までに銀行から保証依頼の受付をされない限り、年末の融資実行は厳しく
 なります。
 
 それでは12月の年末資金の融資をスムーズに受けるために、企業が今から
 取組むべき事項についてポイントをお伝えします。


 1.銀行や信用金庫の外回り担当者が定期的に訪問してくる場合、率直に
   『融資の件で相談がある。』と伝えてください。
   もし特定の担当者がいない場合、経営者自らしかるべき書類を作成して、
   銀行に訪問をして融資依頼をしてください。
 
 2.しかるべき書類とは、直近の決算書を銀行に提出していない場合は
   税務署受付印が押印されている決算書の原本、直近の決算から3ヶ月
   以上経過している場合は直近の試算表、1ヶ年分の資金繰り予定表、
   A4・1枚程度の融資が必要な計画書を提出します。
 
 3.このしかるべき書類を早急に準備して、遅くても12月8日(水)まで
   には外回りの担当者に対し、もしくは銀行や信用金庫を訪問して、今回の
   融資申込みの理由・融資利用により企業にどのような効果がもたらさ
   れるか、を説明して下さい。

 4.また、緊急保証制度を利用する場合は、市区町村の認定書が必要になり
   ますので、先に認定書を申請しておけば信用保証協会の書類関係も
   スムーズに運び、融資実行までの日数も短縮されるので、経営者自身も
   時間に余裕を持って、行動できます。

 5.自社の企業業績が良くない場合は追加資料としてA4・1~2枚程度の
   経営改善計画書を添付すると効果が出てきます。

 A4・1枚程度の融資が必要な計画書と、A4・1~2枚程度の経営改善
 計画書については次にお伝えします。


■疎明資料で信用保証協会の審査通過率を上げる


 今までは、信用保証協会の利用残高が落ち込むと銀行や信用金庫の方
 から、融資依頼を してきました。

 しかしながら今の時代は、銀行や信用金庫も全ての企業に融資依頼を
 しているわけでも なく、今まで以上に経営者自身が自社のアピールを、
 書類でしていかな ければ、融資を獲得することはできません。
 
 銀行の仕事は、そのほとんどが、文章や数字を記録に残す仕事であり、
 一方で企業には疎明資料を提出してくださいとはなかなか言いませんが、
 経営者から、企業業績や今後の売上及び利益推移、資金繰りの状況の提出
 をした上で、融資依頼をしてもらいたいと、銀行員は心の底では思って
 います。
 
 ですから、業況説明を従来の試算表や決算書だけではなく、事業計画書や
 資金繰り予定表、売上増収に向けての取組や利益改善に向けての取組に
 ついて、資料作成をした上で銀行員に説明すれば、説得力も増し、銀行から
 の信用もアップします。

 それでは、『融資が必要な計画書』と『経営改善計画書』についてお伝え
 します。

 1.融資が必要な計画書の内容は、融資資金の使いみち、融資を受けた後の
   資金繰りの改善効果、融資を受けても返済ができると納得させる内容を
   箇条書きにするだけです。
   
   ちなみに銀行や信用金庫の融資判断は、融資資金の使いみち(使途)、
   融資資金が間違いなく返済できるかどうか(返済財源)、融資資金が
   万が一の時でも回収できるかどうか(保全)の3つを重要視して判断します。
 
   ただ保全については、信用保証協会を利用する場合、銀行は保全を
   大して重視しません。そう考えると使途と財源を計画書で説明すること
   によって、銀行員が審査に欲しい情報をしっかりと伝えることができる
   のです。

 2.経営改善計画書は「改善」という言葉が入りイメージが良くないという
   固定観念から、融資申込みの際に銀行に経営改善計画書を提出するのは
   まずいと言われる社長さんやコンサルタントがいます。
 
   しかしながら、本来の意味の改善とは、『過去の振返りをして将来の
   業績を良くする担保のようなもの』であり、銀行に対するイメージが
   悪くなることはありません。

   特に、過去の数字の振返りをして経費の削減項目を掲げ、どのように
   して、かついくら削減して利益改善をしていくか、ということを明確に
   伝えることで、銀行と信用保証協会に対して、説得力のある資料として
   効果が出てきます。

 つまり、特定月は通常の保証申込みが3倍となり、信用保証協会の担当も
 1件に掛ける審査時間が短くなります。その中で12月15日までに保証
 申込みをして、銀行・信用金庫と信用保証協会に疎明資料を提出することで、
 彼らの審査時間を短くしてあげることで、審査通過率がアップするのです。

 年末資金を必要としている企業はさっそく、この流れに沿って行動して
 みてください。