不安をできるだけ軽くする技術について

(2011年04月05日)

震災後、ある方二人の方から相談をいただきました。
それらの相談の中で、今後、東京の近くで大地震が発生し、
家屋が倒壊したり、被害をうけたらどうしよう
そして、物不足になったらどうしようといっていました。
非常に切実なものでした。
 
言いかえれば、なんとも抑えられない不安感をどうにかして
解消したいという相談がでした。
 
今日は、不安を取り去る、もしくは大幅に軽減する
感情のコントロールの技術についてお話します。
 
不安を感じていた方は、

「早く元の生活に戻りたい」
「早く元の状態に戻ってほしい」
 
という言葉をひっきっりなしにおっしゃっておられました。
 
反対に、このような状況でも不安が少なく、気力を
充実させていた方は、
「これから自分はなにをすべきだろう?」
 と言っておられました。
 
言葉は、その人が何にフォーカスしているか、言い換えれば
何に対して意識を向けているかを明確に示してくれます。

「早く元の状態に戻ってほしい」という方は、失ったものに
フォーカスしているので、自動的に喪失感を感じてしまいます。

人は何かにフォーカスする(意識を向ける)と自動的に
感情を持つからです。

また、元の状態に戻してくれるのは、自分ではなく政府などの
他人です。

つまり、自分がコントロールできないことにフォーカスして
いるので、無力感を感じたり、不安定感を感じたりします。

言い換えれば、失ったものや、自分でコントロールできない
外部環境にフォーカスしている方は、おのずと喪失感や
不安感を持ってしまいます。

一方、このような状況でも、不安が少なく気力が充実して
いる方もおられると思います。

この方々も使う言葉と、その言葉を生んでいる
フォーカスに特徴があります。

まず、使っていた言葉は、

「これから自分は何をすべきだろう?」
「これからどうすべきだろう?」
などでした。

この方々は、自分の行動や新しいビジョンを意識しています。
同じ環境にありながら、まったく異なる側面にフォーカス
しています。

自分の行動やビジョン実現は、自分でコントロールすることが
可能ですから、安定感や自信や希望などの感情を自動的に
感じます。

このように、フォーカスの違いが、これほど大きな感情の
違いを作っています。

実を言うと、私自身は感情を自由にコントロールする技術に
長けているわけではありません。

ですが、さすがに今回は被災地のニュースを毎日ずっと
聞き続けて胸が痛くなりました。
感情は、身体にものすごく影響しますので、心理的な痛みが
顕著に現れたのだと思います。
ですから、自分もはやくボランティアなどできないかなと
思い、あいている時間を利用してボランティア活動をしていました。

でも、痛みの感情が強すぎれば判断力が落ちますので、
判断をする時には、痛みの感情を生むフォーカスを
持たないように意識をして、気をつけています。

意図的に、使命感や希望などの良い感情を生むフォーカスを
選ぶようにしています。

フォーカスを選ぶ一番簡単な方法は「自分への質問」です。
津波の被害はどれほどでしたか?と質問されたら、
きっと瞬時に被災地の風景などが思い浮かぶでしょう。
質問されたことに人は一瞬でフォーカスを向けるからです。

不安を軽くしたい時には、不安を生むようなフォーカスを
止めましょう。失ったことや外部環境や他人にフォーカス
するのではなく、自分が何をすべきか、何をできるかに
フォーカスするとことで感情は変わります。

同じ被災地や原発の情報を聞いたとしても、

「これから私は何をすべきだろうか?」
「被災地のために私は何をできるだろうか?」
「愛する人を守るために私は何をすべきだろうか?」

などの質問を使って、自分のコントロール可能な行動や
ビジョンにフォーカスし、そして実際に行動を起こして行く
ことで、不安が軽減されて、愛や希望や自信や
モチベーションといった感情が相対的に高まることでしょう。
 
できるところからで結構ですから、やってみたらどうでしょうか。