トラウマ(心的外傷)とPTSD(心的外傷後ストレス障害)について

(2011年04月09日)

ショッキングな出来事を経験したことが元で
心に傷を負うことをトラウマ(心的外傷)と言います。

典型的なトラウマ体験には、
自然災害、虐待、戦争、犯罪、事故、いじめ、
レイプ、DV(ドメスティックバイオレンス)
などがあります。

トラウマ体験をしたことが原因となって、
後に心に異常な症状が引き起こされる事を、
PTSD(心的外傷後ストレス障害)と言います。

典型的なPTSDの症状には、
再体験/回避・引きこもり/過覚醒
の3つがあります。

【再体験】
 ・ 辛い体験の場面を繰り返し思い出す。
   夢に見る。(フラッシュバック)
 ・ トラウマ体験を連想させるものに接すると
   気持ちや身体が反応する。

【回避、ひきこもり】
 ・ トラウマ体験に関係した状況や場所・人物などを避ける。
 ・ トラウマ体験にまつわる内容について話したり、
   考えたり、感じることを避ける。
 ・ 喜怒哀楽がなくなり、感覚がマヒする。
 ・ 物事に関心がなくなり、興味が涌かなくなる。
 ・ 周囲の人から孤立し、ひきこもる。

【過覚醒】
 ・ 常に危険を警戒してビクビクしている。驚きやすくなる。
 ・ イライラ・ピリピリしている、キレやすくなる。
 ・ 集中力や注意力が低下する。
 ・ 眠れなくなる。眠ってもすぐに目が覚める。

 ※詳しくは、『精神障害の診断と統計の手引き』、
  DSM(Diagnostic and Statistical Manual of
  Mental Disorders)を参照して下さい。

順序が逆になりましたが、トラウマ体験を経験した後に、
PTSDと同様の症状が数時間から1ヶ月未満持続する一過性の障害を、
ASD(Acute Stress Disorders: 急性ストレス障害)と言います。

ASD(急性ストレス障害)とPTSD(心的外傷後ストレス障害)
との違いは、症状が現れる期間の違いです。

すなわち、
症状が1ヶ月以内のものをASDと呼び、
症状が1ヶ月以上経っても消えないものをPTSDと呼びます。

東日本大震災が起きたのが3月11日ですから、
もう少し日数が経って、1ヶ月以上過ぎても症状が
消えない場合は、PTSDと診断される可能性があるわけです。

今回の地震があった3月11日、
私は大阪で仕事をしていたので
直接的に地震を経験したわけではありませんが、

私自身も、

 ・ 過緊張による全身の痛みや疲れ
 ・ 眠りが浅く、夜中に目が覚める
 ・ 辛い料理やアルコールの摂取量の増加

などの症状を経験しています(いました)。

昨日、友人にトラウマケアのセッションを
やってもらって、ずいぶんと楽になりました。

私は今、千葉の自宅でこのメルマガを書いていますが、
私の周囲にも、千葉や東京、埼玉等に住んでいるので
直接被災しているわけではないのに、症状は比較的軽いものの、
ASDの症状を経験されている方がたくさん(ほとんど?)
いらっしゃいます。

具体的には、

 ・ イライラ、不安
 ・ 普通に生活ができていることや楽しむことへの罪悪感
 ・ 地震がないのに、まだ揺れている感じがする。
 ・ エレベーターや電車・タクシーなどの閉鎖空間が恐い。
 ・ 眠れない。眠りが浅い。すぐに目が覚める。
 ・ アルコールの摂取量が増えた。
 ・ 食べる量が減った、増えた。
   刺激物(脂っこい、辛い、甘い)を多く食べる。
 ・ 肩こりや頭痛、全身の疲労感
 ・ 下痢や便秘
 ・ 発熱

といった症状を訴える方が多くなっています。
これらはASD(急性ストレス障害)の反応です。

しかし、
あれだけの大変な災害が起こったわけですから、
直接被災はしなかったにせよ、
普通の健康な心と身体を持った人であれば、
心や身体に何らかの症状が出るのは
当然と言えば、当然のことかもしれません。

健康な心と身体が正常に機能をしているからこそ、
あれだけ異常な出来事に対して、
急性のストレス反応を呈しているわけです。

決して、
「私は変になってしまったのだろうか?」
などとは考えないようにして下さい。
そう考えるのは間違いです。

とはいえ、
ASD(急性ストレス障害)を早めにケアをすることによって
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防が
可能になることも事実ですから、
症状が気になる方は、我慢をし続けるより
病院に行かれることをお勧めします。