「基礎年金を消費税で賄う税方式に」との提言について

(2011年07月03日)

日本経済研究センターはこのほど、基礎年金の全財源を
消費税などで賄う税方式に移行するなどの税制と社会保障
制度を一体改革する提言をまとめ、公表しました。
 
このことについて紹介します。
 
基礎年金を税方式化し、厚生年金、共済年金の報酬比例部分は
民営化して年金保険料を廃止するとともに、法人実効税率を
2021年度に向け10%引き下げ、約26%にします。
一方で、消費税率は1%ずつ引き下げ、2027年度に向けて
20%とすると提案しました。

 法人税率は2013年度から2021年度まで毎年1%ずつ
引き下げ、実効税率を2011年度の約36%(税制改正後)から
約26%にします。これによって、日本の主な投資先となり
つつあるアジア諸国とほぼ同水準となります。2010年の
アジア諸国の法人実効税率は、中国25%、NIES4約20%、
ASEAN約27%です。
 
一方で消費税率は、2013年度から2027年度まで毎年1%
ずつ引き上げられる結果、消費税率は現行の5%から20%に
なります。

 この改革によって、経済には民間活力が呼び込まれると
みています。マクロモデルの試算によると、年金保険料の
廃止や法人税率の引下げにより、企業は設備投資や採用・
賃上げを積極化することから、GDPが大きく高まり、失業率は
2010年代後半に3%を切るところまで低下します。
 
と同時に、消費者物価上昇率も2%程度で安定的に推移
するようになり、物価も押し上げられるなど、デフレから
脱却する見込みです。

 また、保険料撤廃や法人税減税による歳入減で財政収支は
一時的に赤字が拡大しますが、消費税率の段階的な引上げに
より、国・地方の基礎的財政収支は、2027年度にはほぼ中立に
戻ります。すでに払い込んだ保険料に対応する将来給付
肩代わり分を除けば、同収支は最終的に改革がなかった場合
よりも改善します。この結果、現在の若年層、さらには今後
生まれてくる将来世代ほど負担が重いという世代間格差が
緩和される、という提言です。