相続放棄等の熟慮期間を延長する特例法が成立

(2011年07月19日)

「東日本大震災に伴う相続の承認または放棄をすべき期間に
係る民法の特例に関する法律」(特例法)が成立し、6 月21 日に
公布、施行されました。特例法は、東日本大震災の被災者で
あって2010 年12 月11 日以降に自己のために相続の開始が
あったことを知った人(相続人)について、相続の承認または
放棄をすべき期間(熟慮期間)や限定承認をできる期間を
2011 年11 月30 日まで延長するものです。

 特例法が適用されるためには、相続人が東日本大震災の
被災者であることが必要となります。被災による生活の混乱の
ため、3 ヵ月の熟慮期間中に相続の放棄や限定承認の判断をし、
あるいは、家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立てをすることが
困難であることを前提にしています。したがって、相続の対象と
なる財産がどこにあっても、相続人が東日本大震災の被災者で
あれば、そのような困難があるものとして、特例法が適用
されます。

 ところで、被相続人が津波で家ごと流されて亡くなった
ケースでは、相続財産の状況が分からないこともあると
思われます。この場合も、相続人が東日本大震災の被災者で
あれば、特例法の対象となります。しかし、相続人が東日本
大震災の被災者でない場合には、家庭裁判所に熟慮期間の
伸長等を申し立てることに障害はないと考えられますので、
特例法の対象とはなりません。

 例えば、被相続人(祖父)が亡くなり、次いでその相続人(父)が
亡くなった場合、祖父と父との間の相続についての息子の持つ
熟慮期間は、民法により、息子を基準にして考えます。
そこで、祖父と父との間の相続についての息子の持つ熟慮期間が
延長されるかどうかは、息子が東日本大震災の被災者であるか
どうかによって判断され、息子が東日本大震災の被災者である
場合には、特例法が適用されます。